ずっと堀江さんを持ち上げてきたマスメディアの変わり方は酷いものですね。こういう時はよっぽどブログを読んでいる方がしっかりとした情報を得られる気がします。
今日スポーツクラブのサウナの中で、50歳代だろう方々がライブドアの問題について話していました。
「ライブドアだけじゃないよ、楽天もソフトバンクも一緒。結局みんな何もないんだよ。所詮システムだからね。」
ってな具合の議論でした。
インターネットの業界にいる者としてはとても悲しい評価でしたが、メディアの言うことを鵜呑みにせず、何が価値なのか自らの見解で判断する力がこれからは今まで以上に重要になると思わせてくれました。
インターネットから出てくる情報、サービスは飛躍的に進歩しています。そしてインターネットにより消費者も多くの付加価値を得ているはずです。インターネットからの派生は今後も拡大するであろうという意味からこの期待値が株価に影響している訳です。こういう時期だからこそ、シンプルにその業界、その企業に対する自分の期待値を改めて考えてみることも多くの個人投資家にとって必要なことなのではないでしょうか。
今回の騒動ですが、僕はファイナンスのプロでは無いので、プロの方々のブログを読まれることをオススメします。
ライブドア取引の整理:逆飛ばし疑惑を見てみる by 保田隆明さん
板倉雄一郎事務所(ネタが点在しているので記事リンクではありません。)
保田さんの記事を読む限り、マネーライフの件は偶然が重なったのであれば適法だということになります。もし悪意があったとしたら、ライブドアさんの幹部の方々は頭が切れるので外から偶然に見えれば問題が無いという判断だったのでしょう。地検が電子データを取りに行ったのも、故意にやったことを掴むためだったと認識しています。
この一連のことから考えさせられる僕ら経営者が忘れていけないことは何か?
それは真摯さだと思います。
ドラッガーの現代の経営に以下のくだりがあります。
「いかなる教育を有し、マネジメントについていかなる教育を受けていようとも、経営者にとって決定的に重要なものは、教育やスキルではない。真摯さである。」
真摯な態度さえあれば、リスクある判断の際、適法か否かというのと違う議論が行われてしかるべきかと思います。
僕は上司にビジネスにおける真摯さの大事さを教わってきました。
何か問題が起こったとき、何か判断するとき。顧客、取引先に対する真摯な態度はとても重要。
真摯さを失って目先の利益を作れば、将来の利益は必ず失われる。よって、隠したくなる気持ちやちょっと儲けてしまいたい気持ちよりもまずは真摯さを大事にすることが長きに渡って利益をもたらすものと思います。
それはどうしてか?
それは人と人が商売しているからだと思います。それはインターネットも一緒です。仕事以外の部分でも一緒です。真摯さを失えば、将来的には大きなものを失うと思います。
ライブドアさんの件はつまるところこの真摯さに問題があったと感じます。
株価のプレッシャーは想像以上に大きなものです。Yahoo!の株価の掲示板などもそれを助長しています。僕も2004年にマザーズに上場したゴルフダイジェスト・オンラインの執行役員を務めましたが、ステークホルダーの多くが有形無形のプレッシャーをかけてきます。僕なんかよりも全然大きな数千億の株価が方にズシリと乗っていた堀江さんのプレッシャーは相当なものだったのでしょう。
自分をその状態に置いて考えてもみましたが、でもやっぱり真摯さは絶対に失ってはならないことで、上場企業を率いる者としては絶対にあってはならないことだと思います。ライブドアさんの幹部の方々に真摯さがあることを願っています。
若手経営者が多くの夢を見て起業しますが、この流れは絶対に止めてはならない、日本経済にとっては大きな財産と考えています。
ただ、早熟し過ぎることにより、大事なものを忘れてくることは、社会は若いからと言って許してくれません。
ライブドアさんは仕事上お付き合いがありますが、担当者の方への権限委譲が進んでおり、仕事での判断のスピードはピカイチです。それは堀江さんの言動を見ていれば分かります。
スピーディなことはとても大事です。今後若手の中からスピード感やセンスに加え、真摯さ、教養の深い経営者は必ず出てきます。僕もその一員になりたいと思っています。まだまだ修行が足りないと思った今日この頃です。
P.S.:ライブドアさんのサービスに素晴らしいものは沢山あります。それを作っている社員の方々は本当に一生懸命です。本件は社員には全く罪が無い話なのにこういう時は社員の方も火の粉を浴びてしまいます。とても残念なことです。
こんにちは。いつもブログ拝見しております。いろいろいわれておりますが、雨降って地固まる時期なのかもしれません。サービスの細かいところを充実させたりこのエントリーにあることを考えたりするいい機会だと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿情報: yukikazu | 2006-01-29 03:31