起業を目前に控えている経営者二人と食事した。なんと女性二人である。勿論経営も起業も初めて。ある案件がうまく行きそうかどうかの相談を受けながらの食事だったのだが、一つとても気になることがあった。
「この案件は私はヘルプになってしまうから○○さんメインでお願いね。」
「この案件は私は力になれないかも?」
ちょっと待てよ。一緒に起業しようとしている二人がこの会話をしているのはおかしい。
そもそも、起業する前のステップとして必ず踏まなくてはならないのがお互いの個人としてのミッションの共有、そして会社のミッションの作成。そのミッションを成し遂げる意義について一晩語り明かせるくらいでなくてはならない。
そのステップを越えた、経営陣は上記の会話は起こらない。会社の成功に向け一心同体になっているので、良く無い案件であれば徹底的に叩くし、経営陣で決めた案件であれば全身全霊を注ぐ。
よくよく聞いてみると、非常に素晴らしいビジョンを二人とも持っており、それが一致していた。素晴らしい!僕の目の前でミッションが出来上がったようなものであった。
案件ベースで結びついている経営陣ではうまく行かない。その案件がうまく行かなかった時にお互いの批判が始まり、離散する可能性が高い。
起業に最も大切なのは経営陣でその経営陣が強いビジョンで結びついていることが何よりも重要。そのミッションに沿った案件はいくつも出てくるし、もし一つ駄目でも、メンバーで次の対策をひねり出す。そもそもユクニロの柳井さんですら、一勝九敗と言ってるのだから、一発目の案件で見事うまく行くケースの方がレアということになる。案件が失敗した時に経営陣の強さが求められる。ここが強い企業は倒れにくいと思う。
新しく入ってくる人も案件では無く、その会社のビジョンやベクトルに共鳴して入ってくる。先日サイバーエージェントの方と食事したが、納得の一言をおっしゃっていた。「ビジョンが共鳴できない優秀な人は社員にしない。」方向性があっている人と一緒に仕事しないとどんな優秀な能力があっても組織力にはならないと考えているように感じた。
確かに僕の経験からも納得で、多少優秀で無くても、そこに共鳴できている社員は喰らい付いてくるし、伸びる。一緒に夢も語れる。そういうメンバー、まずは経営陣からスタートすることが成功への権利を得る最低条件だと感じた。
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