人材の採用について考える。今のところ僕の答えはなるべく人は雇わない方が良いと思っている。雇用拡大に貢献する企業に賛辞が与えられるので多くの経営者は社員数が増えることを誇りとしてきたような気がするが、はたしてそれで良いのか?
GDOの時、僕のマネージする部下の数は4年前2、3人だったのが最終的には50名を超えていた。成長企業で次々と人が入ってくるのはとても大変なことです。人にかかるコストは人件費、法廷福利費、管理部門のコスト、その人が占有するスペースの家賃等に加え、忘れられやすいコストが情報伝達のコストがある。2人でやることを理解し合うのは早いが、5人でそれをやると結構時間がかかる。伝えていくコストは大きい。加えて、部下からもコミュニケーションを求められるので双方でコストが発生する。
1人の人が直接管理する人数は8人が限界と元GDOの玉置さんに教えられた。当然組織での管理が重要になるのだが、ベンチャーは売上が立つ行動を優先して動きがちなので、組織をしっかり作る時間を経営者があまり取れない。伝達力のある管理職が育つ以上に業務が増え、人の増加を招くケースが多いと思う。知らぬ内に上記コストが増大していって生産性が衰える。昔の方がスピード感あったよなーというのは良く聞く話。
一人ひとりのアウトプットが最も大きい環境で仕事することがとても大事で、働く人が皆そうなればもの凄い生産性をこの国は有することになる。大企業だからできることも沢山あるが、以前よりもベンチャーでできることは格段に増えてきている。どの組織に属して仕事しているということが大事なのではなく、今日あなたがどれだけのバリューを生み出しているかの方がよっぽど重要になる。
一つの会社が大量に人を抱えることを目指すよりも、沢山の会社が出来ていく方が実は全体の効率が良いと思う。得てして大企業の段階で入るよりもベンチャーの段階で入ってくる人の方が格段にヤル気が高い。上司が一人の部下にかける時間が長い方が良く育つ。イコール高いパフォーマンスをキープしやすいと考えることが出来る。実際一休は役職員数14人で上場し直前期の経常利益7億、初値ベースの時価総額が980億円です。一人あたり70億円です!!!勿論業種業態にもよるがこういう会社は非常に賞賛に値する。一休はもともと上場するという意識がとても低かったと聴いたことがある。上場を意識し過ぎると右肩上がりの売上の増大につれて、右肩上がりに増員してしまう傾向にある。この辺、バランス感覚がとても難しいように思う。
成長するにつれ組織が大きくなるのは必然だが、
・伝達力のある上司が育っているか?
・上司が組織に費やすであろう時間と外部に費やす時間が正しい比率をキープできるか?
・人を雇わないでできる方法は無いか?
を売上が伸びている段階でも盲目にならずチェックし続けなくてはならないと思う。
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